田辺方面から本宮の大通りを行くと、本宮大社前を少し過ぎたあたりの大きな左カーブを右に折れる。川岸に沿って進むと杉木立の中にはいる。枝の間をすり抜けるまばらな陽差しが開けると本宮町大居の集落である。緩やかな傾斜に従って南斜面に家々が並ぶ。敷地の眼下には熊野川、その向こうの山々の連なりが何者にも遮られずに目に飛び込む。ゆっくりとした時間を楽しみながらのびのびと暮らすには願ってもないほどの恵まれた環境である。住まい手は本宮の診療所の先生ご夫婦、そして、ご両親の4名。
いくつかの参考例を見てこられた住まい手のご希望は、自然とのかかわりを体験しながらのびのびと二世帯で暮らせる「木の家」。家相に詳しい奥様と、以前は設計の仕事をされていたというお父様に助けられながら計画を進める。大事にしたいのは景観を含めた周辺環境との共存、屋内と屋外の自然なつながり、自然素材による住まいづくりと機械依存を減らした快適な室内環境の創出・・など。