約50年ほど前に建築された建て売り住宅でした。老朽化が目立ち、綿壁がぼろぼろ落ちて、階段はいつも綿ぼこり、妻はそれがいやだと、常々こぼしていました。風呂のタイルが割れ、抜け落ちそうになり、いよいよ建て替えの決心をせざるを得なくなりました。そこで、ハウスメーカーのモデルハウスを隈無く見学に行きました。どこも設備も良く、美しく、正直どのハウスメーカーでもいいような気がしました。
家を建てることに関心がいくと、普段気にも止めなかった新聞の広告に目が行きました。『「いい家」が欲しい。』(松井修三・著)や、「いい家は無垢の木と漆喰で建てる」(神崎隆洋・著)などの本を買い求め、そこで、漆喰や珪藻土の良さ、外断熱の事などを知り、東京にある神崎さんのモデルハウスなどに見学に行ったりしました。そして、家を建てるなら無垢の木で、という方向へ気持ちが傾くと、不思議なことにハウスメーカーのモデルハウスは色あせて見えました。
そういうさなか、紀州木の家協同組合の広告が目に留まり、海南にモデルハウスがあるとのこと。早速見学に行きました。一歩中へ入るなり妻は、たいそう興奮し、こういう家が欲しいとただ一言。その後、何度か海南へ見学に行きましたが、その思いはますます強くなり、建築の運びとなりました。
毎日建築現場に足を運び、かんなくずの多さや木の香りに、本物の木の家をつくっていただいているのだなあと実感したものです。
一年を過ごしてみて、感じたことは、一言で言えば「とても快適だ」ということです。冬、お天気のいい日には、暖房をしてないのに、「暖かいですね」と来られた方は皆さんおっしゃっていました。夜に焚くストーブの熱は、吹き抜けを通って2階の寝室をも暖め、朝起きて来た時の温度は、17℃前後で、身震いすることもありませんでした。梅雨には、足の裏もべとつかず、さらさらで、無垢の床板の快適さを初めて知りました。夏、各部屋にエアコンを設置していますが、使用したのは数日で、晴れた日の夜は、前の畑を通ってくる自然の風が快適でした。エアコンを使った後の、気だるさから開放され、さわやかな目覚めを味わいました。
希望以上の出来栄えで、私たちの自慢の終のすみかが出来ました。たった一つの難点は、心地よいと見えて、お客さんがなかなか帰ろうとはしないことです。(笑)
望みをすべてかなえていただきました。中村先生初め、携わっていただいた多くの方々に感謝の思いでいっぱいです。有り難うございました。これからもスローライフを楽しみながら、大切に住まわせていただこうと思っています。