木の家の建築家中村伸吾の建築設計事務所では和歌山の紀州材や自然素材を活かし無垢の材料で木造住宅を造っています。外断熱通気工法・土塗り壁・杉厚板の家などおまかせください
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外観全景
2間×3間の基本グリッドが3つ。それが2層になって本体部分。左の下屋は水廻り。右の下屋は玄関土間部分。屋根はガルバ鋼坂長尺横葺き。2階の壁は杉板縦張りリボス塗り仕上。1階はサイディングの上リシン吹付。
外観正面
居間・食堂部分は両側に3間の掃き出し開口。さらに奥行き1間のデッキが付く。開放感は圧倒的。
外観玄関部分
ポーチは300角タイル貼り、両側は金錆花崗岩積み。
 

「木」は「木」として使いたい。しかし住宅の建築現場を覗いてみると、これが案外、そう「あたり前」の事でもない。大壁(柱や梁が見えない構造)の中で構造材、野材として使うのであれば必要強度さえ満たしていれば、「木」は「木」でなくても充分なのだ。軽量鉄骨のプレファブ造が現実にたくさんの木造建築物と入れ替わっている。又、仕上げ材としても多くの新建材にそのポジションを奪われている。建築材料として、工業化製品の得意とする土俵でその存在価値を確認しようとする限り「木」に明るい未来はない。同時に現在のような「木」の使われ方は、住まい手にとって、もはや木造住宅を建てても「木」の持つ調湿性や蓄熱性、人を癒すと言われる性能などの、木造住宅ゆえの快適性能を充分に享受できない現実であることを意味する。

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居間より食堂を見る
居間、食堂と一体となったキッチン。行き止まりなくグルグル廻れるのがミソ。右手後ろには家事室、左手後ろには水廻りが集中する。床仕上げは杉厚板。壁は珪藻土塗り。天井は杉厚板化粧あらわし。

自然素材はブームを呼び書店の建築雑誌のコーナーには、構造材を意匠に生かした「木」の良さが見事に表現された住宅の特集号があふれている。その優れた特性、特長を意匠にも生かそうという試みは当然であるし、トライしてみたいと思うのも、人がそこで「住みたい」と思うのも当然だ。ところが、現実は思うほど簡単なことではない。
やっとの思いで手がかりを見つけ、試しては見たものの、肝心の「木」の部分が、割れる、曲がる、色あせる。工期は長引く、大工は不満を言う、なかなか思っていたような物は出来ず、挙げ句の果てに大変な高物につき、とうとう堪忍袋の緒が切れる・・・挑戦はしてみたものの・・・冗談のような笑えない話。しかし、これが現実。

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台所
キッチン、天板は人工大理石、下部は桧材にて制作。天井は杉厚板あらわし。壁は外部用珪藻土塗り。


台所脇の壁
台所に向かって左には木の均質な空間にアクセントを与えるために朱色の塗り壁を用意した。仕上げは外装用珪藻土。中には冷蔵庫が入る。
食器棚
台所廻りは全て扉付でしまいたがる人が多い。しかし、使い勝手に疑問も残る。今回は思い切ってオープン、実用優先。機能は美となる。
コンロ廻り
今回はIHのコンロ。コンロ脇には小さな棚を取り付けることが多い。調味料置きとして重宝して頂いている。

「木」を「木」として使う。その為には、彼らをより生かす社会システムを再構築しなければならない。「木」を良く理解し、環境意識を持って辛抱強く「木」を育てる者。それを製材する者。「木」の特性を熟知し、それを建物に生かすことのできる設計者。確かな技能を持ち確実な工務をこなす施工者。それらの者が意思の疎通を良く図り、一つの有機体となって機能してこそ「木の家」は実現する。

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居間より台所を見る
バック棚左側は全面収納、桧材にて制作。面材はツインポリカ(ポリカーボネート板)を使用。台所廻りには強く割れないタフな材料が必要。右の収納棚、天板は桧の耳付はぎ板。
 
洗面室
洗面と脱衣はできる限り別に用意するようにしている。この建物は洗面を中心に便所と脱衣・浴室を振り分けた。家具は桧材にて制作。
便所
床:杉厚板仕上げ、壁:桧小幅板張り、天井:杉厚板あらわし、の各仕上げは便所、洗面に共通。タイル床を希望される人も多いが床暖房を採用する場合を除いてあまりお勧めではない。
浴室
お風呂はのびのびと入りたい。そこで、窓は引き込みによる全面開口。前には板塀をして内部に坪庭、植え込んだのは柊南天。桧の天井板、壁板、床簀の子。浴槽も桧。香りが心地よい。

そして、川上から川下に一本につながるこのシステムに住まい手が加わって初めて社会的な拡がりができる。住まい手にとって「より良い家を建つ」という行為が、社会資産としても良好な「木の家」を生み、そのことが人と自然の共生に大きな役割を果たす。

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居間吹抜けを見上げる
居間は食堂に続く吹き抜けを持つ大空間。空気を自然対流させようと思えばそれなりの高さが必要。
床は杉厚板、壁は珪藻土塗り、天井は杉化粧野地板(t=39)あらわし。
脱衣室
浴室側に洗濯機置き。洗面室側に収納棚。棚は桧材にて制作。

このモデルハウスはそんな理念の元に集まった仲間が協同組合を設立し、和歌山県の助けを得て、和風や古風と称され、あるいは一部酔狂な人のためのものと理解されやすい「木の家」に、現在の住宅に必要とされる充分な性能を持たせ、現在人に馴染みやすいデザイン・住まい方の提案をすることで「木の家」の一般化を試み、よって、住まい手の住環境に貢献すると共に和歌山の良好な緑環境の維持に役立たんと建てられたものである。

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階段
階段は完全シースルー。開口部とかぶっても気にならない。袖壁には杉厚板たて込み。手摺りは杉かいふ丸太。太い方が下、上がっていくにしたがって細くなる。
暖炉
吹抜け等の大空間を実現するには冷房よりも暖房に気をつける。それなりの大カロリーを発生する暖房機が必要。今一番評判のいいのが薪ストーブ、次が床暖房。と後ろには蓄熱のために耐火煉瓦を配置する。
 

訪れる人々に好評をいただいてきたこの建物も平成22年にその役割を終え、事業母体の協同組合も解散した。現在では建築会社の営業所として第2の人生を歩んでいる。協同組合の解散と共に、設立当初のシステムやノウハウは失われてしまった。しかし、建物が存在し続ける以上、快適な家に住まいたい・・・と希望する住まい手の良き見本としてお役にたって欲しいと思う。同時に事業者には、住まい手がモデルハウスから受ける期待を裏切ることなく、木の家を良く理解し、その良さをしっかりと発揮できる住まいを造って欲しいと願う。

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丸窓よりやね緑化面を見る
玄関土間
玄関を入ったところに土間空間。住まい方によっては重宝する。ここはモデルハウスなので思い切って大きく取った。
床は300角タイル貼り。壁は珪藻土塗り。天井は化粧野地板(t=39)あらわし。
証明器具は杉厚板にダウンライトをはめ込んだものを吊り下げた。

「住まい」は「住まい手」のためにある。けっして作り手の価値観で構成されていてはならない。TVや雑誌を通じて大量に供給されるお仕着せの価値観に縛られることなく、今一度自分と家族が本当に快適に住まうために何が必要なのかを考えて頂きたいと思う。

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2階ベランダより水廻り下屋を見る
デッキ上の下屋は1/10勾配のガルバリウム鋼坂瓦棒葺きとし、その上に桧材で屋上デッキを設えた。このくらいの勾配だと充分に実用的なデッキとなる。向こうに見えるのは屋根緑化。今回は砂漠性の植物を敷き詰める。
2階板間よりベランダを見る
床はグレーチング敷き、慣れるまで怖いかもしれない。しかし、いつもベランダ面には水を溜めない工夫をする。木造の防水工事はなるべく避ける
外観全景
この建物は和歌山のマリーナシティというアミューズメントパークの中にある。工事を始めた頃には違和感を持った遠景の観覧車にもいつしか馴染んだ。5年という短い期間限定のモデルハウスであるがひとりでも多くの方に見てもらえればと思う。
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建物名 / 紀州木の家(kino)モデルハウス
所在 /  和歌山県和歌山市マリーナシティ内
構造規模 / 木造2階建
主要用途 / 住宅展示場
竣工 / 平成17年3月
敷地面積    /    474.30u (143.47坪)
建築面積    /    122.07u ( 36.92坪)
延床面積   / 149.86u (  45.33坪)
1階           / 103.21u (   31.22坪)
2階          /    46.65u (  14.11坪)
特記事項 / 外断熱通気工法、民家型構法の家
 
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