和歌山県の中央部、観光地白浜を過ぎて国道42号線を少し串本方面に走ると椿温泉がある。海岸沿いのこの町には信号が一つしかない。一つしかない信号を左に折れるとJR椿の駅があらわれる。海からほんの少し入ったこの駅を超えると程なく今回の敷地である。前面道路は3m弱、南側には田んぼがひろがる、その先には線路が走る。北側は雑木の山、西側はその山裾、東側には隣家がある。実はこのあたりは住まい手の故郷。この地を出て35年、都会暮らしを経験された後でUターンしてこられた。心やすまる住まい地はやはり故郷であるらしい。
計画に当たってご本人から以下のような要望を頂いた。 「橘新田の家 5つのコンセプト」 1. 百年もつ木の家 2. シンプルで天災に強い家 3. 集いやすい家 4. バリヤフリーの家 5. 風の通る家
いずれもごもっともな思いである。それらの実現に加えて、シックハウス症候群や環境共生をはじめとする最近の住宅が抱える問題に対しての対応を考えた。キーワードは「地域性」である。
今ひとつの着目点は「住まい手との協働」である。いつのまにか「住まい手」のことを「消費者」と呼ぶようになった。しかし「住まい手」は自らの住まいをつくり、家族の生活を創造していく「生産者・クリエイター」であるべきだ。断じて「消費者」ではない。「私たちを守りなさい」「私たちを満足させなさい」の「消費者」のポジションからは地域の環境循環も経済循環も何も見えてこない。
今回の「住まい手」は木酢液の散布・木部塗装・美装・厨房機器の準備から簡単な土木作業まで自分たちに出来ることはみんなやってしまった。結果、力を尽くした満足感を得、地域との融合を果たし、坪50万円を下回る低価格まで副産物として手に入れた。住まいづくりに能動的に参加する姿勢が自分たちを取り巻く環境を変えていく。私たちを取り巻く住環境、経済環境、自然環境を守っていけるのは私たち自身よりいない。
木造民家型の木組にて、シンプルで天災に強く、百年もつ家の骨格を組み上げた。南側にはこの家の中心となる大きな居間がある、そこに2間の掃き出し窓を付けご近所さんが集える縁側を取り付けた。居間は上下左右に空間をつなげこの家の核となると共に、四季を通じて風の道となる。大きな吹き抜けを内包することから、床と屋根野地にはJパネル(杉 t=36の3層パネル)を使用して充分な剛性を確保している。床・壁・天井には杉皮断熱材(フォレストボード)を使用した外断熱通気工法。内部は紙張り仕上げ。
「この冬は堀コタツと石油ストーブだけで過ごせた」と聞く。「この夏は扇風機だけでやり過ごしてみる計画だ」とも聞いた。この地に生きた先人の知恵を豊かに受け継いだこの家で、いくつかの季節を過ごされて、体が忘れかけていたリズムと感性を取り戻す頃には、裏の山にも横の畑にも立派な実りがあるだろうと思う。
今年の気象は本当に異常ですね。 早く寒くなって、水温も下がらないとグレが釣れません。 最近は市江の磯に精勤して、竿を振る練習に励んでいます。 裏の畑で野菜作りの真似事を始めたのですが、鹿が芽を食みにきたので、ネットを張ったりワイヤメッシュで囲ったり! 自然農法に興味があるので、粘土団子に20種の野菜の種を混ぜてばら撒いたら、エンドウ豆と大根だけが残りました。 別に、ジャガイモも痩せ地に好いと聞き植えたら元気。 まずは土作りと、裏山の木々や草を荒畑に放り込み、緑肥も欲しいと蓮華の種を4Kgもばら撒きました。 来年の春が待ち遠しいが、近所の連中は知らん顔を決めています。 木も裏の畑に何種類(果樹と庭木)か植えて様子見中です。 最近、木の裂ける音が頻繁にしだしました。 夜中に目が覚めたときなどは、獣の気配と木の音が気になると寝つかれません。 天窓の網戸をはずしたのですが、青空クッキリ、裏山の景色もクリアになり喜んでおります。(今は満月の時季なので、星があまり見えないのが残念) 1Fの床板は素足だと冷たさを感じだしました。2Fは気になりません。 先日、雨の後に便所の戸の開閉がかなり渋くなり、驚かされました。晴天1日で元に戻り、そういうものかと納得。 これからの寒さがどうなるのか?楽しみなところです。
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