「いかなる技術も、地域の環境に適合していないならば、その地域に根ずくことはできない。」人工林との共生を目指し、木造建築物を考える時この言葉は特に大きな意味を持つと考える。この地に多く育つのは「杉と桧・樹齢40〜50・節あり並材」である。この地で主に工務を担当するのは地場の大工職である。公共施設であればこそ、規模の大きい木造建築といえども集成大断面や特殊構造に頼ることなく、通常手に入る材料で通常の木組みにて建物を成立させ、自治体としての姿勢を示すことは大事なことであろうと思う。
この建物は特に以下の事柄に留意して設計した。
■ 杉、桧の節あり並材で構成する
■ 軸組はグリッドにて構成し、間取りに優先する
■ 伐採地での玉切り寸法(3・4・6m)に則った木使いを基本とする
■ 大径木を使用しない。梁成通常8寸、最大でも9寸とする
■ 伝統工法に偏りすぎることなく、必要に応じてDボルトやブレースシステムなども併用した在来軸組構法を採用する