
当日は200組、500人を超える見学者が集まった。
当地の平均的な来場者を調査してみると20〜30組が平均だということであった。地元商工会議所の主催であるということも手伝って、たくさんの来場者でにぎわった。
そのうち、アンケートに答えていただけたのは約100組、有効なものは95件であった。
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杉厚板・桧壁板について
杉厚板の大量使用については「木の国の家」を成立せしめる重要事項であるから、評価については非常に関心がある。触感も、見栄えも問題なし、との評価をいただいた。これは、性別、年齢を問わぬ評価である。現代の在来住宅にはフローリング張りが標準となる。「杉厚板との足触りの差は歴然としている」との意見をいただいている。杉板は足裏に暖かく、優しい。
真壁構造について
真壁構造も、最近ではずいぶんと少なくなった。わずかに高級な和風住宅に残るのみである。「木の国の家」は土塗り壁が標準、室内はほとんど全てが真壁となる。この項目も評価は良い。壁は、わざと「コテむら」を残してある。そんなところが気に入られた。
梁・野地板のあらわし構造について
梁については、概ね良好である。野地板は「気になる」と答えた人が少しいる。「斜めの天井には馴染めない」と答えた人もいる。30代の女性、と40代(男女とも)に少し厳しい評価があった。
節について
節のことでは実際の現場でも個人差が大きい。概して「木」を扱う機会の多い人の方が節ありを嫌う。住まい手や、設計者はあまり気にしていない。40代の男性に厳しい意見が集中した。20代、30代はおおらかな見方をしている。
木の香りについて
20代は良いと答える。60代も良いと答える。30代、40代、50代には特に女性には良いとする評価はあまり聞かれなかった。
木の変色、割れについて
今回の調査で、一番厳しい評価が出たのはこの項目である。男性よりも、女性に評判が悪かった。年齢でいえば30代、40代である。例外的に20代男性は頓着していない。
木材は自然素材である。変色、割れについては多少のことは仕方がない。しかし、そうもいっておられない。変色と、割れには乾燥が大きく関係する。天然乾燥では、色合いは良いが割れを防ぐことは出来ない。人工乾燥すると、割れは随分と少なくなるが、少し変色する。全力で取り組んでいるが、未だ道半ばである。
土塗り壁、珪藻土塗り仕上げについて
この項目も非常に評判が良かった。性別、年齢を問わずこれには賛成をいただいた。
開放的なプランについて
今回の調査で最高点をいただいたのはこの項目である。そして回答者の自宅と最もかけ離れていたのもこの項目である。ほとんどの人が小さく区切られた部屋を望んでいない。なのに、みんなそんな部屋に住んでいるのである。住まい手不在の住宅建築の現場を目の当たりにした思いだ。特に女性には評判が良い。今回答えていただいた人の中では、良いに○をしなかった女性はたったのひとりである。
高気密・高断熱ではない
我々が心配したほどの数字にはならなかった。30代の女性に少し評判が良くなかった程度である。50代、60代に至っては、ほぼ満票で支持していただいた。この地に永く住まわれている人は高気密・高断熱よりもっと大事なことがあるのをよくご存じだ。
メンテナンスについて
この項では、まんべんなく評価が分かれた。30代の女性に厳しい意見が集中した。住宅はいちど建てれば一生ものだと思っている人がほとんど。たとえ、「木の国の家」でなくてもメンテは必要。住まい手側にも、住まい手側の心得のようなものがいる。
部屋内に出てくる柱(独立柱)について
構造上必要ならばかまわない。というのが多数の意見。デザイン処理がちゃんとされていれば気にならない様子。
勾配天井について
これもあまり気にしていない。30代の女性と、40代の男性に少し気になる人がいる程度。
出入り口は引き戸が原則
評判は良い。設計の現場にいて、現実的な希望として引き戸にして欲しいというのは良く出てくる。性別、年齢を問わず評判が良い。
住宅設備は既製品が標準
地域スタンダードを意識して、水廻りは特に既製品を選んだ。抵抗はない様子。
坪単価50〜55万円が目標
現場サイドとしては、坪単価50〜55万円という設定はとても厳しいものだ。それでも、40代男性は高いという。今後、大きな課題として預かりたい。
総 括
構造材あらわしの内装や、土壁は好感を持って受け入れられた。オープンな空間構成も勾配天井も現実にスケール感を持って味わっていただくと、何も問題ないことが分かった。むしろ、こんなに歓迎してくれるのなら、なぜ今お住まいの自分の住宅に疑問を持たないのか不思議に思う。圧倒的な情報量の差だと痛感した。高気密・高断熱ではありません、と正面から伝えても、別段動揺はない。地域にあった暮らし方をまだ忘れていない人たちがたくさんいる。こころ強く感じた。
男性も、女性も40代の人が最もシビアな質問を投げかけた。参加者の多いのもこの年代だ。ちょうど住まいを構える頃なのだ。
木材の変色、割れ、傷つきやすさ建築費、メンテナンスなど、たくさん宿題もいただいたが、手応えもしっかりとしたものが得られた。住宅を組み立てていく理屈と、住宅建築の現場が、いかに住まい手と遠い距離を置いたものであるのかを実感した。住まい手が中心で組み立てられる住宅の必要性を強く感じた。同時に、「木の国の家」のこの地での存在意義を確認できたと判断する。
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