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| ▲洋風住宅のイメージ写真 |
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▲和風住宅のイメージ写真 |
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全体使用量を比較する
「節あり並材」の各タイプにおける使用量は、圧倒的な差となって現れた。「木の国の家」の木材使用量(0.323?/u)は洋風住宅(0.155?/u)の2.08倍、和風住宅(0.205?/u)に比べてさえ1.58倍の使用量である。
現在の洋風住宅は戦後の大量に住宅を供給しなければならない時代の流れに乗って現れた。それまでの特殊で上等な洋館とは区別されるべきものである。物資の少なかった時代に、「どのようにすれば少ない木材で家が建つのか?」「どんな構法なら、専門職を使わずに出来るのか?」周到に考えられた住宅だ。 |
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輸入住宅、2×4住宅、プレファブ住宅との外観上の区別が難しく、一般住宅として広く建設されている。外部にも内部にも木材の存在を知らせるものはない。和風住宅は地域に生き続け、地域と共に変遷を重ねてきたが、近頃は地域の影響よりも住宅産業から大量に放出される情報からの影響の方が大きい。外観はどう見ても和風なのに、和室はひと間しかなく、他は全て大壁だったという例が少なくない。元来、紀南地方の木造住宅の小屋組は、人一人では抱えられない程の牛木の上に小屋丸太が架かり、骨梁を介して馬木が乗り、幾重もの木組みが棟木を支え、全体を構成した。それらが住宅の堅牢さや耐久性を保証したものだが現在の和風住宅にはその面影しかない。
数字は各タイプの特徴を端的に表している。以下に詳細を見ていく。
部位別に比較する
垂木・杉厚板
伐期を迎えた45〜50年生の杉材は、構造材とするにはまだ若く、化粧材とするにも節ありで、薄板に加工すると抜け節が多く、商品としての歩留まりが悪い。柱材・厚板として使用するのが最も適切であるとの判断から、垂木(120×120)、野地板・床板(t=39)としての使用を試みた。
木造民家型構法を採用したのもこれらの採用に有利な構法であったからである。
垂木においては「木の国の家」0.0312?/uと洋風住宅・和風住宅に対してそれぞれ1.99倍・1.13倍の使用量を示す。柱角と同じ大きさのものを半間ピッチに使用した効果である。又、この結果深い軒先が実現でき日差しの制御に大いに役立っている。
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厚板に関しては0.0907?/uと他のいかなる部位の使用量より多く、効果は圧倒的であることが
分かる。これは洋風住宅の木材全使用量(0.155?/u)の実に59%にあたり、構造部材全ての数量に相当する。「節あり並材」の大量使用は人工林との共生を実現に近づけるのみならず、住居内においても機械設備依存を減らし、良好な住環境を確保するのに役立つ。
無節化粧材
「木の国の家」の特徴は無節材を使用しないことにある。無節材を上等材としてありがたがり、それにしか商品性を見いだせない旧来の価値観では、紀州の山は救われない。「節あり並材」の大量使用を可能にし、住まい手のコンセンサスが得られるデザイン対応がなされた住宅モデルが必要なのだ。
梁・胴差
横架材の使われ方には各タイプの構造のあり方と取り組みが特徴的に現れている。
「木の国の家」では太く大きな部材を、大量に使う。和風住宅では、小屋丸太に代表されるような「木の国の家」で使われるものよりさらに大きな材料を、大架構に架け 渡し、すっきりとした構造体を作る。 |
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洋風住宅は、細く華奢な部材(和風住宅比78%)を「木の国の家」よりは少ないが和風住宅より多く使う。
これは和風住宅が比較的経験豊かな大工職によって施工されることが多く、そのため基本に忠実で合理的な架構組が行われ、結果として洋風住宅より木材使用量が少ないものと推察できる。優秀な大工職の技能が残る紀南の地は「木の国の家」が地域のスタンダードとなりうる条件を備える。
柱・土台
柱と土台は各タイプほとんど同じ断面寸法のものを採用する。使用量の差は使用本数の差だと考えられる。「木の国の家」と和風住宅は土塗り壁を採用することが多い、対して洋風住宅はほとんどこれを採用することがない。土塗り壁の場合は貫構造となり柱は半間毎に建つ、断熱材であれば1間おきでよい、この差である。「木の国の家」の0.0448?/uという数字は洋風住宅の1.69倍、和風住宅の1.20倍である。 |
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造作材・羽柄材
この項目においても、各タイプの室内仕上げの状況の違いが良く現れている。
「木の国の家」と和風住宅が大きめの造作材(枠、見切り、額縁など)を使い真壁納まりの室内を持つのに対し、洋風住宅は細く細かい部品をたくさん使い大壁納まりとする。使用量は洋風住宅の1.09倍、和風住宅の1.76倍である。
板材・雑材
使用材に大きさの差はあまりない。使用量の違いは使用ヶ所の違いによると思われる。「木の国の家」と和風住宅では外壁に桧、杉の板張りとするが、洋風住宅ではほとんどがサイディング張りとなる。「木の国の家」0.0767?/u、和風住宅0.0815?/uという使用量はともに同タイプの他の部位に比べても多い数字である。洋風住宅の0.0415?/u(ほとんどが雑材)とのそれぞれの差、「木の国の家」0.0352?/u、和風住宅0.0400?/uは「木の国の家」が節あり材、和風住宅が化粧仕上げ材となり内容の差は大きい。
結果
「木の国の家」は在来の木造住宅に比べ、1.5倍〜2倍の「節あり並材」を使用する。最大の効果をもたらすものは杉厚板の大量使用である。又、uあたりの部品点数も多く、新建材等を使用することなく無垢の木材による家づくりを進めていることが数字より判断出来る。構成部材は、ほとんどの部位で太く、大きく、厚い。これは、住宅が確保しなければならない耐久性、耐火性、調湿性、断熱性いずれの分野においても有利方向に作用する。
木材の使用法、使用量から見た「木の国の家」は、伐期を迎えた「節あり並材」を大量に使用し、切れてしまった「山」と「住まい手」の関係を再び繋ぐ、人工林との共生に役立つ住宅モデルといえる。